修復について

十六羅漢像 修復報告

概要

お預かりした時点での本尊の現状は彩色の剥落、ひび割れが多く見られたためクリーニングの後、木地修復、胡粉塗り、彩色の行程で修復を施しました。

防燻・木地修復

まず佛身の虫食い予防のため害虫駆除の防薫処理をいたしました。また、接着材である膠の効力が衰え、寄木部分がゆるみひび割れが多数見られましたため、一旦外してダボを入れて補強をいたしました。欠損部分や隙間は、檜材を使用し修復しました。

胡粉塗り

彩色の発色と木地を保護する為、胡粉地を施していきます。胡粉を一度に分厚く塗ると、後にひび割れができてしまいますので薄く塗り、乾かし、また塗ってゆく作業を繰り返しその後表面を研ぎ滑らかに、均一の厚さになるように仏師塗師が仕上げていきます。

彩色

まず胡粉地の上から着彩を施し、古びた彩色に色合わせを行い地塗りをほどこします。袖は金泥を用いて下地を彩色しました。次に模様を書き起こして、周りに馴染むように着彩すれば完成です。

完成