修復について

薫外一浄居士像 修復報告

概要

お預かりした時点での本尊の現状は彩色の剥落、ひび割れが多く見られたためクリーニングの後、木地修復、胡粉塗り、彩色の行程で修復を施しました。

防燻・木地修復

胎内に使用されていた材に虫食いの跡が見られたため害虫駆除の防薫処理をいたしました。また虫食いが見られた材は新しい木材と交換しております。欠損部分や隙間は、檜材を使用し補いました。この度腕からひざにかけてのパーツの接着の際にダボを入れて補強をいたしました。

胡粉塗り

彩色の発色と木地の保護と肌の質感を出すため、胡粉地を施していきます。胡粉を一度に分厚く塗ると、後にひび割れができてしまいますので薄く塗り、乾かし、また塗ってゆく作業を繰り返しその後表面を研ぎ滑らかに、均一の厚さになるように仏師塗師が仕上げていきます。

彩色

まず胡粉地の上から着彩を施し、古びた彩色に色合わせを行い地塗りをほどこします。袖は金泥を用いて下地を彩色しました。次に模様を書き起こして、周りに馴染むように着彩すれば完成です。

完成